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丹羽基ニ
序に代えて
長い間、頭にあった苗字の収録ができあがりました。40年間の集積でございます。
この『日本苗字大辞典』は多くの方々の支援によって、陽の目を見ることが出来ました。
ここに厚く御礼を申し上げます。
さて、『日本苗字大辞典』がどのように社会的意味があるかについて次のように考えております。
1:
日本の苗字は今まで、完全な形で収録されていませんでした。それでは、官庁・会社・学校・事務所・その他で支障をきたすことが出てきてしまいます。本来、国家で行なうべき仕事だと思っておりますが、『日本苗字大辞典』はその役割の一端を果たすことができたと思います。
2:
民俗学・地理学・言語学・歴史学・その他の分野で基礎文献の役割を果たすことが出来ます。
3:
日本の「名称学」(Onomastics:オノマスティックス)の進展に多少なりとも貢献するかもしれません。
○  ○
なお、利用上、多少の参考事項を記述いたします。
(1)
『日本苗字大辞典』に収録した苗字数は、291,129件余。「表音編」(読み・音引き)、「表記編A」(頭字・画引き)、「表記編Z」(末字・画引き)の三巻にそれぞれローマ字読みを付記いたしました。これにより日本人以外の方にも利用していただけることを期待しました。
(2)
日本の苗字の約85パーセントが地名に由来し、他は職業・職名・屋号・佳字・当て字・その他であることが分かりました。
例えば.
地名姓
田中(たなか) ・ 中村(なかむら)など
職業姓
服部(はっとり) ・ 鍛冶(かじ)など
職名姓
左衛門(さえもん) ・ 属(さかん)など
屋号姓
万(よろず) ・ 辻屋(つじや)など
佳字姓
大久保(おおくぼ) ・ 華表(とりい)など
当て字姓
端詰(はしずめ) ・ 針貝(はりがい)など
その他
鈴木(すずき) ・ 秦(はた)など
(3)
ただし、苗字の中には、上記の2要素を併せもっているものもあります。また、苗字には古代文化の側面が看守されます。例えば、現代ではすでに消失した地名、呼称、習俗、曰くなどもここから引き出せます。29万の膨大な資料は膨大な宝庫であると思っております。
(4)
さらに、日本の苗字の約80パーセントは訓読み(やまとことば)で、残りの約20パーセントが音読み(中国風の読み)で、原則として訓読みの方が古いとされています。
例えば.
海部
あま、あまべ(古い)
かいふ、かいぶ(新しい)
(5)
難漢字、難読、その他珍しい苗字は全体の約5パーセントほどですが、これも学問上は極めて重要な資料となります。
(6)
『日本苗字大辞典』では、主として家号を「苗字」の文字で表示しました。そうしたことにより、名字や氏の文字を避けました。理由は、『氏』は古代の姓氏、『名字』は中世の姓氏に多く用いられる語だからです。もっとも『姓』も古代のカバネのことを指しますが、ことわりを入れない限り、『姓』も苗字と同じ意味と認識してください。
(7)
日本の苗字数は単一国家としては、世界最多であります。理由としては、
  【1】漢字と和語(やまとことば)との混交
  【2】苗字に対するタブーがない
  【3】日本人の発想の豊かさ・・・など
この事実は表音文字では考えられません。
(8)
苗字の中には、旧字体・俗字体・略字体・筆写体・国字・その他の不明な文字もあります。さらに、呼称の中に発音から生ずる微妙な違いや清音・濁音の不鮮明なものもあります。これらについてはできる限り原字体や呼称を尊重いたしました。
(9)
『日本苗字大辞典』は、「日本姓氏大辞典」(角川書店版・日本ユニバック・丹羽基ニ共編・集録苗字数約133,700)以外の未集のものを追加しました。
(10)
『日本苗字大辞典』は、まだ完全に苗字の集録を完了していません。文字や呼称の間違いもあるかもしれません。それ故、後の調査によって新たに発見された苗字については補巻に収録して発行し、提供していきたいと思います。
編者:丹羽基ニ
 
 
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